2020/05/25 (MON)

チャプレンより聖書のことば

聖なる父よ、わたしに賜わった御名によって彼らを守って下さい。それはわたしたちが一つであるように、彼らも一つになるためであります。
(ヨハネによる福音書第17章11節)

立教新座中学校・高等学校チャプレン 石田雅嗣
今週の聖書の中で重要なことばは、「一つになる」ということです。それは、神様の方でも、私たちと一つになることを望んでいるからです。一つになるのはどうしたらよいでしょうか。それは一緒にいるということです。神様が、いつも私たちと一緒にいてくださるということに気づく時というのは、人と人が一緒にいるときであると思います。確かに、ごくごく一部の聖人なら、砂漠の真ん中で、たったひとりでいるときに、神様と出会って神様と一緒にいるっていう観想生活に入るってこともあるかもしれませんけれども、われわれ凡人は、ほぼ100パーセント、人と人が一緒にいることで、われわれは、「神様が一緒にいる」ということを味わい、「神様が共にある」ということを伝えられるのです。新型コロナウイルスの困難なときにあって、観想生活のような今だからこそ、人と人が一緒にいるということの大切さを味わいたいと思います。

ひとりぼっちじゃない、神様は一緒にいてくださる、だから、「どこにいるんだ、神様! 神様なんてどこにもいないよ〜!」って思うようなときに、私たちは、ついついお祈りすることがあると思います。お祈りのとき、私たちは神様とつながっているんじゃないか、私たちは神様に生かされて生きているという事実をそのまま純粋にはからいを交えず感じることができるのではないか、これは本当に尊いときであると思いますし、神様の愛を感じるときであるし、神様と一つになることのしるしであると思います。そして、それを感じた私たちは、このような新型コロナウイルスの試練にあるからこそ、ひとりぼっちでいる友だち、悩んでいる友だちがいたら、その友だちと一緒にいたいと思います。それは、電話やパソコンの画面でも、ゲームを通してかもしれませんが、仲間が一緒にいるというのは、神様が一緒にいるということなんです。電話とかになると、何か気の利いたことを言いたくなりますが、何か気の利いたこと言わなくてもいい、そばにいる、そこにいるだけでいいのです。「ある」ということ、一緒にいるということ、そうすれば、神様ご自身が、その一緒にいてくれる仲間を通していろんな働きを必ずします。

新型コロナウイルスとの付き合いが長くなり、「新しい生活様式」によって、これからも対面でお会いする機会が減っていくかもしれませんが、そのような状況のなかであっても、神様は、生徒と生徒を出会わせる、生徒と先生を出会わせる、先輩と後輩を出会わせる、ともかく一緒にいるためにあらゆる工夫をし、チャレンジをしていますので、私たちもそのような神様の働きに参加していきたいと思います。この働きによって、「新しい生活様式」のなかでも、この世界を神様の国に変えることができます。これはもう、私たち一人ひとりも、どんな方法でも、限られた環境のなかにあるからこそ、一つになる工夫をすることができるということを意味していると思います。

2020年5月25日

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