10月8日~11日にかけて行われた「第98回全日本選手権大会」(主催:公益社団法人日本ボート協会@戸田ボートコース)の男子シングルスカルにおいて、高校3年生の山田雄恒さんが第5位という結果を収めました。
コロナ禍でインターハイなど目標としていた大会がすべて中止となるなど、かつてない状況を経て臨んだ今大会は、大学生や社会人を相手に普段の倍の距離で競われるものでした。その上、大会当日は台風による悪天候。過酷とも言える状況下で5位入賞という快挙を成し遂げた山田さん。今大会への思いや立教新座での3年間について語っていただきました。
諦めず、自分を信じて進んだ3年間。さらなる飛躍をめざす
高校3年/ボート部 山田雄恒さん
第98回全日本選手権大会 男子シングルスカル 第5位
大学生や社会人と戦って得た全国第5位
2年生のときに出場したインターハイの結果も5位だったのですが、この「全日本選手権大会」は大学生や社会人の選手もいる中でのレースだったので、順位は同じでも重みが違うなと感じています。上のカテゴリーの方々と勝負できたのは今後の自信に繋がりましたし、あと一つ順位を上げれば決勝進出という、少し悔しさが残る結果でもあったので、さらに上を目指したいという意欲もより一層高まりました。
コロナ禍では陸上トレーニングで課題克服に注力
インターハイなどの全国大会が全て中止になった時点では、レースが無くなった分、かえって焦らずに自身の課題の修正に時間をかけられるのではないかとポジティブにとらえました。自粛で水上練習は制限がかかりましたが、除脂肪体重の増加や有酸素能力の強化など、陸上でもできる課題克服に取り組んでいました。
そんな中、9月に大阪でインターハイの代替大会が開催されるという情報が届き、やっと自粛期間の努力が報われるときがきたと、大会に向けた準備を着々と進めていたのですが、出発直前に学校が休校となり出場できなくなりました。4月にインターハイが中止になったときとは違い、今回は自分だけが大会に出ることができないという事実を突きつけられ、「なんでよりによって自分が」というとても辛い思いをしました。
しかし、以前、出場資格をクリアできたことをきっかけに力試しのつもりで全日本選手権にエントリーしていたことを思い出し、「大人相手だが、無念はそこで晴らそう」と目標を切り替えてすぐに練習を再開しました。
そんな中、9月に大阪でインターハイの代替大会が開催されるという情報が届き、やっと自粛期間の努力が報われるときがきたと、大会に向けた準備を着々と進めていたのですが、出発直前に学校が休校となり出場できなくなりました。4月にインターハイが中止になったときとは違い、今回は自分だけが大会に出ることができないという事実を突きつけられ、「なんでよりによって自分が」というとても辛い思いをしました。
しかし、以前、出場資格をクリアできたことをきっかけに力試しのつもりで全日本選手権にエントリーしていたことを思い出し、「大人相手だが、無念はそこで晴らそう」と目標を切り替えてすぐに練習を再開しました。
気持ちを切り替え、楽しんで臨んだレース。過酷な状況下で強さを発揮
全日本選手権は、普段出ている高校生の大会から距離が2倍に増え、また相手が大学生や社会人と、経験や体力の面でどうにもならない壁があったので、少しでも差を縮めて太刀打ちするために、代替大会出場不可が決まった日から全日本選手権までの約20日間で艇の無駄な動きを減らすための技術の向上に努めました。
また、大会に出られなくなった一連の経験を通して、レースをさせていただけることそのものがどれ程ありがたいことなのか身に染みて感じていたので、今後の全てのレースはボートを漕げることに感謝し、余計なことは考えず精一杯楽しもうと心に決めていました。そのような精神状態だったことで今大会は非常にリラックスして臨むことができ、年上相手でも尻込みせずに自分の漕ぎができたのではないかと思っています。
また、大会に出られなくなった一連の経験を通して、レースをさせていただけることそのものがどれ程ありがたいことなのか身に染みて感じていたので、今後の全てのレースはボートを漕げることに感謝し、余計なことは考えず精一杯楽しもうと心に決めていました。そのような精神状態だったことで今大会は非常にリラックスして臨むことができ、年上相手でも尻込みせずに自分の漕ぎができたのではないかと思っています。
通常、全日本選手権は1日1レースで行われるのですが、今大会は台風が迫る中開催された影響で3日目のスケジュールが変更となり、準決勝の直後に順位決定戦と1日2レース漕がなければいけなくなりました。しかしそこで自粛期間に強化した体力が活き、2本目のレースでもタイムを落とさず漕ぎ切ることができました。精神面と体力面の両方においてコロナ禍で得たものを最大限発揮することができ、あのとき(インハイ代替大会に参加できなくなったとき)、諦めなくて本当によかったなという心境です。
今後は全国大会優勝と日本代表入りが目標
全日本選手権に出場したことでオリンピック候補の選手のパフォーマンスを間近で見て、憧れが一層強まったとともに、やはりオリンピックはまだまだ遠すぎる目標だと再確認しました。ひとまずは目の前の国内大会で確実に結果を出していくことに集中し、コロナの影響で断念せざるを得なかった全国大会優勝と日本代表入りの2つを大学で達成することが今後の目標です。
自分を信じ奮闘した3年間が強さにつながった
ボートはゴールに背を向け後ろ向きに漕いで進んでいくスポーツで、自分が今、真っ直ぐ進んでいるのか、あとどれくらいでゴールに辿り着くのかということが基本的にわかりません。その中で選手たちは自分を信じて力の限り漕ぎ続けます。
今年度までボート部は自分以外の部員も技術指導者もおらず、どうすれば強くなれるのか、今自分がやっていることは正しいのか、このやり方で結果が出せるのかなど、試行錯誤を一人で繰り返してきました。その結果出した結論が合っているのかは分からず、それでもがむしゃらに全力を尽くすという、まさにボート競技そのもののような3年間の競技生活でした。そんな中で、指導環境が整っていて、常に最短の道を歩ける強豪校の選手を羨んだことも少なくありませんでした。
ですが、最後の最後でこのような結果を出すことができたのは「自由の学府」を重んじる立教のもとで、型にはまらず、とにかく3年間自由に活動させていただいたからこそだと思っています。一見不利に見えるこの環境は本当に自分を強くしてくれました。顧問の先生をはじめとする学校側のご理解、ご協力、そして連携の機会を設けていただいた立教大学体育会ボート部など、周囲のご支援に本当に感謝しています。
大会の様子は日本ボート協会のYouTubeチャンネルでご覧いただけます。
今年度までボート部は自分以外の部員も技術指導者もおらず、どうすれば強くなれるのか、今自分がやっていることは正しいのか、このやり方で結果が出せるのかなど、試行錯誤を一人で繰り返してきました。その結果出した結論が合っているのかは分からず、それでもがむしゃらに全力を尽くすという、まさにボート競技そのもののような3年間の競技生活でした。そんな中で、指導環境が整っていて、常に最短の道を歩ける強豪校の選手を羨んだことも少なくありませんでした。
ですが、最後の最後でこのような結果を出すことができたのは「自由の学府」を重んじる立教のもとで、型にはまらず、とにかく3年間自由に活動させていただいたからこそだと思っています。一見不利に見えるこの環境は本当に自分を強くしてくれました。顧問の先生をはじめとする学校側のご理解、ご協力、そして連携の機会を設けていただいた立教大学体育会ボート部など、周囲のご支援に本当に感謝しています。
大会の様子は日本ボート協会のYouTubeチャンネルでご覧いただけます。
山田雄恒さんYukoh Yamada
立教新座高等学校3年
ボート部所属
「第30回全国高等学校選抜ボート大会」(2019年) 男子シングルスカル第4位
「令和元年度全国高等学校総合体育大会」(インターハイ)・ボート競技 男子シングルスカル第5位
「第98回全日本選手権大会」 男子シングルスカル 第5位 ほか
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