2022/12/19 (MON)

チャプレンより聖書のことば

イエス・キリストの誕生の次第は次のようであった。母マリアはヨセフと婚約していたが、二人が一緒になる前に、聖霊によって身ごもっていることが明らかになった。夫ヨセフは正しい人であったので、マリアのことを表ざたにするのを望まず、ひそかに縁を切ろうと決心した。
(マタイによる福音書第1章18~19節)

立教新座中学校・高等学校チャプレン べレク・スミス
イエスは生まれる前から大変な状況に置かれていました。神が世界を救うためにおとめマリアを聖霊によって身ごもらせたのですが、婚約者のヨセフにはそのことはすぐに伝えられたわけではありません。ヨセフは普通にマリアが浮気をし、別の男性との子供を妊娠したと考えたのです。しかし、この後、天使がヨセフのところに来て、おそらくマリアからすでに聞いていた通り、マリアが妊娠したのは人間からではなく、直接の神からのことであったことが伝えられます。これを信じたヨセフは、それまで離縁しようとしていたにもかかわらず、彼女と彼女の胎内の子イエスを守り通しました。ナザレからベツレヘムへの移動も、その後のエジプトへの避難も含めて、ヨセフにとってこの妊娠は大変苦しい状況を生み出したことと推測します。

今年の夏、五島列島に巡礼で行きましたが、そこで大きく印象に残ったことの一つは、多くの教会で、ヨセフがイエスを抱いている像や絵が教会に置かれていたことです。これまで、ヨセフが大変な思いや、恥ずかしい思いをさせられたことは考えたことがありましたが、ヨセフがイエスを抱いて育てたことをあまり意識してきませんでした。ヨセフが自分の婚約相手の神からの使命に静かについていくことは、当時でも今でもほぼ見受けられることはないかと思います。わざとだと思いますが、福音書にはヨセフの言葉が一つも書き記されていません。しかし、マリアの言葉は多く書き記されています。神がなされることに従うヨセフの姿というのはとてもすごいことです。そして、天使に言われた通り、「イエス」と名付けます。

マリアが浮気をしたと信じていたにもかかわらず、彼女を辱めようとすることなく、彼女と生まれてくる胎内の子共を守るヨセフのことを、聖書では「正しい人」と呼んでいます。わたしたちもこの模範にならう必要があると思っています。是非、今年のクリスマスを祝う際に、イエスがヨセフに抱かれていることを想像してみてください。

2022年12月19日

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