2023/02/20 (MON)

チャプレンより聖書のことば

六日の後、イエスは、ペトロ、それにヤコブとその兄弟ヨハネだけを連れて、高い山に登られた。イエスの姿が彼らの目の前で変わり、顔は太陽のように輝き、服は光のように白くなった。見ると、モーセとエリヤが現れ、イエスと語り合っていた。ペトロが口をはさんでイエスに言った。「主よ、わたしたちがここにいるのは、すばらしいことです。お望みでしたら、わたしがここに仮小屋を三つ建てましょう。一つはあなたのため、一つはモーセのため、もう一つはエリヤのためです。」ペトロがこう話しているうちに、光り輝く雲が彼らを覆った。すると、「これはわたしの愛する子、わたしの心に適う者。これに聞け」という声が雲の中から聞こえた。弟子たちはこれを聞いてひれ伏し、非常に恐れた。イエスは近づき、彼らに手を触れて言われた。「起きなさい。恐れることはない。」彼らが顔を上げて見ると、イエスのほかにはだれもいなかった。
一同が山を下りるとき、イエスは、「人の子が死者の中から復活するまで、今見たことをだれにも話してはならない」と弟子たちに命じられた。
(マタイによる福音書第17章1~9節)

立教新座中学校・高等学校チャプレン ベレク・スミス
イエスは12弟子のなかでも一番信頼されていた3人の弟子たちを連れて、山に登り、そこで彼らに恐ろしくなるような光景を見せられました。イエスは決して自分の栄光ある姿を普段から表していたのではなく、ここ以外では見られないイエスの素晴らしい姿を3人の弟子に見せます。どうしてすべての弟子にこのような光景を見せないのか、とても不思議に思うかもしれません。イエスはへりくだった姿を普段から見せることにより、彼について行こうとする人は決して権力や富を得るためについて行くことがないことを保証しているのです。しかし、イエスのへりくだった姿がイエスのすべてではないのです。栄光ある姿を持っており、その栄光は我々の創造を超えるものであるに違いないのです。

モーセとエリヤは二人とも山の上で神と迎え合った旧約聖書の預言者たちです。旧約聖書の中で、この預言者二人はどちらも葬られることはありませんでした。死んだ後、体を見つけることができなかったのです。ペトロはモーセとエリヤを見て、彼らがそこにしばらく留まることを期待して、三つの仮小屋を作ると言い出します。しかし、イエスは山の上に長くとどまることなく、山から下りて十字架へと通じる道を着実に進むのです。わたしたちも、神を礼拝し、神の栄光を賛美しますが、そこにいつまでも留まることはできません。再び、普段の生活に戻り十字架の道を歩まなければならないのです。このめりはりの中で私たちは、十字架の道を辿りながら少しずつ栄光ある山の上にいるイエスのところへと近づくのです。

2023年2月20日

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