心を通わせ 人馬一体で挑む—立教大学 × 立教新座高等学校馬術部

立教新座高等学校 千秋 玲太さん × 小泉 徳馬さん × 立教大学社会学部現代文化学科 三森 真生さん

2022/02/28 (MON)

クラブ活動

OVERVIEW

馬に乗り、運動の正確さや速さ、美しさを競う馬術競技は、人と馬が一体に行うスポーツです。立教新座高等学校馬術部は、2021年7月に行われた第55回全日本高等学校馬術競技大会(馬術のインターハイ)に出場。ベスト12の成績を収めました。今回は、立教新座高校馬術部で活動する高校生2人と、立教大学体育会馬術部の主務を務める大学生が語り合いました。

(左)立教新座高等学校3年生 馬術部 部長 千秋 玲太さん、(中)立教新座高等学校3年生 馬術部 小泉 徳馬さん、(右)立教大学社会学部現代文化学科4年次 体育会馬術部 主務 三森 真生さん

奥が深い馬術の魅力

三森 馬術を始めたきっかけは何ですか?

千秋 小学2年生の時に競走馬を間近に見る機会があり、馬の格好良さに引かれました。乗馬クラブに入り、立教新座中学校入学以降もそこで乗っていましたが、新座高校には馬術部があるので、進学と同時に馬術部に入りました。

小泉 家が乗馬クラブを経営しているので、馬がいる生活が日常で、幼少期から馬術を身近に感じながら過ごしてきました。いろいろなスポーツも経験しましたが、やはり馬と一緒がよくて、馬術部がある立教新座高校に入学しました。

三森 2人ともとても馬が好きなのですね。私は小学生の頃に体験した乗馬がきっかけで馬術に出合いました。高校時代は離れていましたが、立教大学には馬術部があることを知り再開しました。部活動にはどのように取り組んでいますか?

小泉 僕たちは経験者ですが、部員のほとんどは初心者です。普段の練習は週3回ほど、新座市に隣接する地区にある乗馬クラブの協力を得て行っています。厩舎の掃除や大会の運営などの手伝いをしながら、一般利用者と共に練習に励んでいます。

千秋 立教新座高校は顧問やコーチとの距離が近く、OBの方の馬術部愛も深いので熱心な指導が受けられるのはありがたいです。大学の馬術部では馬の管理や世話も自分たちで行っているのですか?

三森 現在大学馬術部の練習場がある富士見総合グラウンドには、15頭の馬がいて、部員が交代制で365日世話をしています。パートナーの馬がけがをした際には、責任をもって手当てをします。とはいえ、部のモットーは授業優先。部員同士協力しながら文武を両立しています。2人は馬術のどこに魅力を感じていますか?
  • 第64回全日本学生賞典総合馬術競技大会(2021年11月)で三森さんが騎乗したスカイウィザード

  • 立教大学社会学部現代文化学科4年次 体育会馬術部 主務 三森 真生さん

小泉 手綱と足(あぶみ)で馬をコントロールしますが、馬は人の気持ちに敏感なので、乗る側が緊張しているとなかなか上手くいきません。何度も乗って、馬とコミュニケーションをとり、感覚を合わせていくところに面白さがあると思います。

千秋 障害を越える時の独特の浮遊感が好きです。実は2021年の3月に落馬して骨折したのですが、回復後、その馬の動きの癖を研究し乗りこなせた時の達成感は忘れられません。

三森 動物とタッグを組みスコアを競う馬術は珍しいスポーツです。言葉の通じない中で信頼関係を築き、「人馬一体」という言葉通り、馬と共に乗り越えていくところが魅力ですよね。

馬との意思疎通が人間力を高める

立教新座高等学校3年生 馬術部 部長 千秋 玲太さん
三森 これまでの馬術部の活動で特に印象的な思い出はありますか?

千秋 21年7月のインターハイです。3人1チームで、トーナメント戦に臨んだのですが、2回戦で自分のミスで負けてしまって。その悔しさを晴らすため、12月※1の高校最後の大会では団体戦でいい成績が収められるよう頑張りたいです。

※1 第57回関東高等学校自馬競技大会(12月10日~12日/JRA東京競馬場)小障害B飛越競技で千秋さんは第6位に入賞しました。

小泉 インターハイの会場はよく行っているところだったのですが、大会当日は景色が違って見えるほど緊張しました。その日初めて会う馬で競技するので、短い時間で馬の個性を理解して意思疎通を図る必要があります。技術だけではなく精神的な強さも必要だと実感した大会でした。
立教新座高等学校3年生 馬術部 小泉 徳馬さん
三森 馬術は技術だけでなく、精神面がとても大事ですよね。乗り手が心から楽しんでいると馬もいい動きをします。焦りや緊張を馬に伝えず、心を通わせることが強さにつながると思います。2人の今後の目標は何ですか?

小泉 馬と間近で接してきて、動物の世話をする仕事に興味を持ちました。今は獣医になることを目指して勉強しています。

千秋 やはり馬が大好きなので、立教大学へ進学し、馬術部に入って競技を続けたいです。自分で馬の世話をするのも今から楽しみです。

三森 大学馬術部では日々馬と密に関わることができますから、ぜひ入部してください。部員同士一緒にいる時間も長いので、人とのコミュニケーション能力も鍛えられます。パートナーである馬を思いやり、周りと協力しながら信頼関係を築いてきた4年間の経験を、後輩たちにも引き継ぎたいです。そして、馬からたくさんの学びを得てほしいです。
第55回全日本高等学校馬術競技大会(2021年7月)にて
※本記事は、『立教学院NEWS』Vol.40(2022年1月)の記事を再構成したものです。記事の内容およびプロフィールは、取材当時(2021年12月1日)のものです。

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