国際問題に関する研究発表会「国際公共政策コンファレンス」※に参加した2名が、その経験から得た学びを語り合いました。
※大阪大学法学部国際公共政策研究科主催、2019年4月開催
世界を見つめて得た新たな発見と経験
大澤 蒼樹さん(2019年度卒業)/横浜市立大学医学部医学科1年 島田 雄気さん(2019年度卒業)/北里大学医学部医学科1年
発表テーマを決めたきっかけはフィリピンの病院で聞いた「現場の声」
大澤:立教新座の先輩が過去の大会に参加していたのを見て、自分も結果を出したいと思い参加を決意しました。島田くんとは志望する進路が同じだったので、物事に対する考え方も似ているだろうと思い、私から声を掛けました。
島田:誘いを受ける前から、現代に求められるグローバルな視点を身につけたいという思いがありました。大澤くんの誘いにも、迷わず「参加しよう」と答えました。
大澤:二人で応募すると決めたは良いものの、発表するテーマを決めるまでにとても苦労しました。はじめは医療について国際的な問題を広く扱うつもりでしたが、明確な政策や解決策を提示することが難しくて断念。さまざまな医療問題の中から、最終的に「メディカルツーリズムの充実で、フィリピンの医師海外流出を抑えることはできるか」というテーマになりました。
島田:このテーマに決めたきっかけは、僕が高校2年の夏休みにフィリピンのセブ島にある病院を見学したことです。現地の医師や看護師から、フィリピン国内の医療問題や、日本とフィリピンの医療環境の違いについて伺いました。そこで衝撃だったのが、他国と比較し低賃金で就業環境が悪いことなどを理由に、欧米などの国外への医師の流出が起き、国内の医師不足にも繋がっているということでした。現地で伺った話を基に、その流出を抑制するため、フィリピンで近年注目されているメディカルツーリズムを用いた解決策を二人で考えました。
島田:誘いを受ける前から、現代に求められるグローバルな視点を身につけたいという思いがありました。大澤くんの誘いにも、迷わず「参加しよう」と答えました。
大澤:二人で応募すると決めたは良いものの、発表するテーマを決めるまでにとても苦労しました。はじめは医療について国際的な問題を広く扱うつもりでしたが、明確な政策や解決策を提示することが難しくて断念。さまざまな医療問題の中から、最終的に「メディカルツーリズムの充実で、フィリピンの医師海外流出を抑えることはできるか」というテーマになりました。
島田:このテーマに決めたきっかけは、僕が高校2年の夏休みにフィリピンのセブ島にある病院を見学したことです。現地の医師や看護師から、フィリピン国内の医療問題や、日本とフィリピンの医療環境の違いについて伺いました。そこで衝撃だったのが、他国と比較し低賃金で就業環境が悪いことなどを理由に、欧米などの国外への医師の流出が起き、国内の医師不足にも繋がっているということでした。現地で伺った話を基に、その流出を抑制するため、フィリピンで近年注目されているメディカルツーリズムを用いた解決策を二人で考えました。
発表の場で気づいた「聞く人の立場になること」の大切さ
大澤:一次審査で提出する論文では、国連やWHO(世界保健機関)のレポート、海外の統計資料を分析して、具体的な数値から解決策を導きました。統計データは、同じことを調べていても対象とする集団や人数によって結果が大きく変わります。比較するためには条件を揃え、正しくデータを扱わなければいけないのだと学びました。
島田:論文を書く段階で一番心掛けていたのが、「集めてきた資料から、分かりやすく情報をまとめること」。研究のフィールドがフィリピンでテーマも国際的だったため、参考する資料はほとんど英語でした。英語の資料を丁寧に読み解き、英語特有の表現を日本語にして分かりやすく論文に書くことを常に意識していました。
大澤:お互いにインターネットを使いながら資料収集をしましたが、「英語で検索する」というコツは先輩から教えていただきました。普段何かを調べるときには日本語を使うので、そうしたアドバイスからも新しい気付きを得ることができました。
島田:論文審査を通過し、他校の参加者や審査員である大学教授の前で発表する本選への進出が決まってからは、より説得力のある発表にするための研究を進めていきました。結論がまとまらず焦ることもありましたが、不安を払拭するために発表直前まで資料集めに没頭しました。
島田:論文を書く段階で一番心掛けていたのが、「集めてきた資料から、分かりやすく情報をまとめること」。研究のフィールドがフィリピンでテーマも国際的だったため、参考する資料はほとんど英語でした。英語の資料を丁寧に読み解き、英語特有の表現を日本語にして分かりやすく論文に書くことを常に意識していました。
大澤:お互いにインターネットを使いながら資料収集をしましたが、「英語で検索する」というコツは先輩から教えていただきました。普段何かを調べるときには日本語を使うので、そうしたアドバイスからも新しい気付きを得ることができました。
島田:論文審査を通過し、他校の参加者や審査員である大学教授の前で発表する本選への進出が決まってからは、より説得力のある発表にするための研究を進めていきました。結論がまとまらず焦ることもありましたが、不安を払拭するために発表直前まで資料集めに没頭しました。
大澤:発表当日は、審査員からの質問にも対応できるよう準備をして臨んだつもりでしたが、審査員だけでなく他校の参加者から多くの指摘を受けました。特に印象に残っているのは、「聞く人の立場になって発表のスライドを作るべき」という意見です。一次審査で作成した論文に沿ってスライドを作成しましたが、それだとメリハリがなく分かりづらいと言われてしまいました。審査員は論文を読んでいますが、他校の人や当日初めて僕たちの発表に触れる人にとっては分かりづらかったのだとそこで初めて気付きましたね。
島田:「初めて発表を聞く人の視点を持つ」ということは、僕も大澤くんもこれまで意識していなかったので、今後の学びにも通じる新たな発見でした。どんな人にも伝わるように、時には発表する情報を取捨選択することも必要だと学んだので、これから自分が発表を行う上で気を付けていきたいと思っています。また他校の発表では、食品ロスの解決策としてロボット製作を行っていたものもあり、「こんな方法があったのか」と刺激を受けました。受賞は逃しましたが、研究以外に得るものも多く、挑戦して良かったです。
島田:「初めて発表を聞く人の視点を持つ」ということは、僕も大澤くんもこれまで意識していなかったので、今後の学びにも通じる新たな発見でした。どんな人にも伝わるように、時には発表する情報を取捨選択することも必要だと学んだので、これから自分が発表を行う上で気を付けていきたいと思っています。また他校の発表では、食品ロスの解決策としてロボット製作を行っていたものもあり、「こんな方法があったのか」と刺激を受けました。受賞は逃しましたが、研究以外に得るものも多く、挑戦して良かったです。
養った、医療を国際的にとらえる視点を将来の仕事に生かしたい
大澤:今回はフィリピン国内の問題に注目して研究しましたが、日本でも地方の医師が都市部へ移動していますし、受けられる医療にも地方と都市部では差があるなど、似たような問題が起こっていると感じています。将来は地元の人々を救う医者として、今回学んだことを地域活性化と医療問題の解決という二つの観点で、日本の社会に応用したいと考えています。
島田:これまで医療問題は、その国だけで起こるものだと考えていました。しかし、グローバル化が進み、飛行機や物流などのテクノロジーも急速に発展していることから、感染症などの病気も国境を越えて広がっています。医療問題は、もはや一国で解決できるものではなくなってきています。僕も大澤くんと同じように医師を目指しています。国際的な視点に立って医療を考えるという今回の経験を、将来の仕事につなげていきたいです。
取材:2019年12月
島田:これまで医療問題は、その国だけで起こるものだと考えていました。しかし、グローバル化が進み、飛行機や物流などのテクノロジーも急速に発展していることから、感染症などの病気も国境を越えて広がっています。医療問題は、もはや一国で解決できるものではなくなってきています。僕も大澤くんと同じように医師を目指しています。国際的な視点に立って医療を考えるという今回の経験を、将来の仕事につなげていきたいです。
取材:2019年12月
大澤 蒼樹さんSouki Osawa
横浜市立大学医学部医学科1年
2019年度卒業生
2019年、「第5回 国際公共政策コンファレンス(待兼山会議)」(主催:大阪大学法学部 国際公共政策研究科)に応募し、予選のレポート審査を突破、4月13日・14日に大阪大学で行われた本選の口頭発表会に参加。
島田 雄気さんYuki Shimada
北里大学医学部医学科1年
2019年度卒業生
2019年、「第5回 国際公共政策コンファレンス(待兼山会議)」(主催:大阪大学法学部 国際公共政策研究科)に応募し、予選のレポート審査を突破、4月13日・14日に大阪大学で行われた本選の口頭発表会に参加。
立教新座のリーダーシップ教育
立教新座では、国際的な視野を養う「グローバル教育」と、多様性の中で自身の力を発揮し、仲間と共にチームの目標を達成するために貢献するリーダーシップスキルを学ぶ「リーダーシップ教育」を通じて、世界の人々と「共に生きる力」を備えたグローバルリーダーを育成しています。
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