2020/06/22 (MON)

チャプレンより聖書のことば

体は殺しても、魂を殺すことのできない者どもを恐れるな。むしろ、魂も体も地獄で滅ぼすことのできる方を恐れなさい。二羽の雀が一アサリオンで売られているではないか。だが、その一羽さえ、あなたがたの父のお許しがなければ、地に落ちることはない。あなたがたの髪の毛までも一本残らず数えられている。だから、恐れるな。あなたがたは、たくさんの雀よりもはるかにまさっている。
(マタイによる福音書第10章28~31節)

立教新座中学校・高等学校チャプレン 石田雅嗣
「だから、恐れるな。あなたがたは、たくさんの雀よりもはるかにまさっている。」 あなた方は、雀以上の存在、雀何百羽分よりも優れた存在ではないか。生かされ、存在させられ、生きている者にも死んだ者にも支配者である神を知っている、この神様に絶対の信頼をおくならば、その他の何者も恐れることはないと言われます。ですから、本日の聖書は何か怖いことを言っているように思えますが、神様が、聖書で語っておられることは、結局、愛について語っておられるということを覚えたいと思います。そのことを、もう一度きちんと受け止めてほしいし、今、もし辛いとか、恐れているとか、迷っているという方がいたら、イエス様は、「何ひとつ恐れるな、あなたはもう救われている」と語っておられるのであると、そういう視点で読んでいきたいと思います。というのは、本日の聖書には、「魂も体も地獄で滅ぼすことのできる方を恐れなさい」とあるので、何か「神様を恐れる」というようにも読めてしまうからです。ここで肝心なのは、「あなたは神様から愛されている」ということです。「なんだ、それなら恐れることはなかった」と気付いていただきたいのです。そして、「あなたが何かしたから救われるんじゃない、神の望みによって、神の尽きせぬ愛によって救われるのだ」ということをしっかりと噛みしめたいと思います。そこは徹底して、もう一度新たにしてほしいと思っています。

「神の裁きによってこの世界に恐ろしいことが起こっている」。「人類には罰が当たっている」。これは、カミュの『ペスト』のなかで、パヌルー神父が語っている説教です。現在のコロナ禍にも当たっていると思ってしまうかもしれません。しかし、神の愛を知らずに恐れるときこそが、罪の状態です。もしも私たちが今、神の愛を見失って「恐れの罪」に捕われているなら、まさにイエス様という「神の愛」を信じてほしいと思います。神様はすべての人を救うという真理に立ち戻ってほしいと思います。 私たちの弱さ、罪、それらをすべて神様が良いものに変えてくださるのです。この神様の働きに加わっていくことが、私たちの勤めであり、この世を本当に良いものにしていく道であると思います。ここに宗教の垣根はありません。あらゆる宗教を越えて、この真理にすべての人の魂が目覚めていくことが大切であって、私たちは、コロナ禍にあって「すべての人が分け隔てなく神様から愛されている」ということを多くの人々に伝え、働いていきたいと思います。


2020年6月22日