2020/09/30 (WED)

新しい学び方への挑戦
~生徒×教員 座談会~

2020年、新型コロナウイルスによるパンデミックが世界的に広がりました。
これまでのような授業や課外活動ができない状況下で、本校は生徒たちに何ができるのかを考え、状況を見極めつつ新しい方法での教育を行っています。
今回は、中学2年クラス担任であり英語のオンライン授業を実践している北岡先生と生徒たちに、教員の視点から、生徒の視点からそれぞれ授業や学校生活について語ってもらいました。

オンライン授業は楽しい でも日常の交流も大切

手探りながら工夫したオンライン授業

左から中村さん(中2)、北岡先生、中川さん(中2)
北岡:4月の自宅学習期間を経て、5月11日からオンライン授業が始まりました。基本的には1週間に1回、英語は金曜日に配信することになっていましたが、中学2年生という大切な時期なので、私は火曜日にも配信しました。通常の授業と同じように黒板の前に立って、生徒のみんなが学校の雰囲気を少しでも感じられる動画にしました。なにしろ、4月に進級してから一度も登校できない状態でしたから、見慣れた教室の様子や教師の顏が見えた方が、みんな気持ちを切らさずにいてくれるのではと思ったのです。

中村:パワーポイントや画面収録の授業が多い中、北岡先生の動画はリアルな授業の雰囲気がありました。授業に入る前に、他の先生も登場する英会話のシチュエーション動画を入れてくれて、おもしろかったです。たとえばチャプレンが登場した、空港でのパスポートコントロールのシーンがありました。
北岡:同じ人間の顏ばかり見ていても、おもしろくないと思ったからね。あとは、学年の他の教員に発音練習の場面で登場してもらいました。他にもいろいろ工夫をしていて、特に1本の動画を5~6分に収める努力をしました。授業は1コマ50分ですが、生徒たちはいくつもの教科のオンライン授業を受けなくてはなりません。ずっとパソコンやタブレットの画面を見ているのは疲れるし、飽きてくることもありますから、私は授業を「音読」「文法」「単語」などテーマごとに小分けにして、それを何本か合わせて1コマ分にセットしました。

中川:確かに、ずっと画面を見続けていると退屈してくるのが正直なところです。動画が短いと、すき間時間に息抜きになったりリセットできたりしました。でも、僕は英語が好きだし北岡先生のオンライン授業はおもしろかったので、すぐに次を見たくなってどんどん先に進みました。

中村:僕は、ご飯を食べる前とかお風呂に入る前の中途半端な時間にも、短い1本を見ることができたので、ありがたかったです。
  • 中村さん、中川さんそれぞれの自宅学習の様子

オンライン授業のいいところ、悪いところ

北岡:でも苦労もあって、恥ずかしながら編集作業が得意ではないので、撮っているときにミスをすると撮り直し。普段の対面の授業なら、何かミスをしてもすぐに訂正するなど挽回する方法があるけれど、動画でミスが残ってそのまま生徒たちに伝わってしまうことは絶対に避けなければなりませんから。正しく、そしてわかりやすく伝えなければならないことはプレッシャーで、何度も撮り直しました。そのかわり、ミスをしないようにわかりやすく話すための、言葉選びやテンポをブラッシュアップするいい機会になったかもしれません。

中川:先生は大変だったと思いますけど、工夫された授業でおもしろかったです。それに後から見直すことができるので復習がしやすいし、普段の板書よりもじっくりノートを取ることもできました。ただ、普段の授業の方が質問はしやすいですね。その場ですぐ聞けて、対面で教えてもらえるのでわかりやすい。オンライン授業ではコメントに質問を書くのですが、文章では伝えにくいこともありました。

北岡:動画配信のスタイルは、顔が見られないことが一番のネックですね。こちらも生徒たちの反応がわからないので不安がありましたが、次々に動画を作るしかありませんでした。

新しい友だちとの交流はこれから

中村:授業ではないですが、ホームルーム(HR)ではオンラインならではのトラブルもありました。HRはライブで集まっていましたが、PCの不具合で入って来られない友だちがいました。

中川:スピーカーの調子が悪くて先生の声が聞こえなかったり、機械音が発生してうるさかったりして、HRにならなかったこともありました。

北岡:そういうトラブルがあっても、HRは大切な時間だと思っていました。多感な年頃なのに、友だちと会える日常がない。それは相当なストレスですから、誰かと話をするだけでも気分が変わるのではと思い、HRは9時からと設定されていましたが、8時45分頃からスタンバイして、声をかけながら生徒たちを出迎えるようにしました。そして一応は20分程度で終了して、「残りたい人は残っていい」と声をかけると、毎日のようにオンライン上に留まる生徒たちがいて、そこで話をしました。コミュニケーションのひとつになっていたらいいのですが。

中村:クラス替えをしたので、ライブでHRをやっても、まだ仲良くなれていないクラスメイトがいます。それはこれからですね。でも僕は、オンライン授業自体は楽しむことができました。

中川:そうですね、抵抗なくオンライン授業に入ることができたと思います。でもやっぱり、早く以前のような日常が戻ることを願っています。また普通の学校生活を楽しみたいです。



取材:2020年7月(取材・制作等に際して充分な配慮を行っています。)

中学2年 英語オンライン授業

授業動画のほかに、他の教科の教員が登場するシチュエーション動画や発音練習動画、「余談」としてイディオムを紹介する動画などを撮影。生徒が楽しんで英語を学べるよう、工夫を凝らした動画を、週に2回アップしていきました。

中村 一さんHajime Nakamura

中学2年

中川 龍之介さんRyunosuke Nakagawa

中学2年

北岡 常彬先生Tsuneyoshi Kitaoka

中学2年担任・英語教諭

自分を知る。世界を知る。——立教新座の学び

何に興味があり、何を学びたいのかを自身で考え、判断する。立教新座の学びは、中学生・高校生それぞれの段階で選べる範囲が広がっていきます。