2022/06/20 (MON)

チャプレンより聖書のことば

イエスは弟子たちを戒め、このことをだれにも話さないように命じて、次のように言われた。「人の子は必ず多くの苦しみを受け、長老、祭司長、律法学者たちから排斥されて殺され、三日目に復活することになっている。」それから、イエスは皆に言われた。「わたしについて来たい者は、自分を捨て、日々、自分の十字架を背負って、わたしに従いなさい。自分の命を救いたいと思う者は、それを失うが、わたしのために命を失う者は、それを救うのである。」
(ルカによる福音書第9章21~24節)

立教新座中学校・高等学校チャプレン べレク・スミス
「神からのメシアです。」とペトロがイエスについて告白した直後に冒頭の戒めを弟子たちはイエスから受けています。神のメシアはこれから神の国を建てるダビデのような王であるという考えを基に、弟子たちは自分たちがこの新しい神の国で王の次に偉くなると考えていました。しかし、イエスが彼らに示した道は決してこの世で偉くなる道ではありませんでした。多くの苦しみ、社会で一番の権力者から排斥され、殺される道です。どの福音書を読んでも、弟子たちはこのことをイエスが死んだときも信じていなかったことが分かります。その後、「三日目に復活することになっている」とイエスが預言をしますが、弟子たちはイエスの復活を見て初めてイエスの言葉を信じたのです。そして、一人残らずイエスを裏切り、十字架にかかるイエスから離れた弟子たちは、復活を自分たちの目で見て信じ、各々自分の十字架を負ってイエスに従ったことが使徒言行録と初代教会の伝統によって明らかとなっています。

イエスの戒めは当時直近にいた弟子たちのためだけではなく、今でもクリスチャンと名乗るすべての人に対する戒めとなっています。イエスが示した道はこの罪に染まった世界で栄えるための道ではなく、罪に染まったこの世界を変えていくための道です。従って、多くの犠牲と苦しみが伴う道です。当時の弟子たちもこれに気づくのが遅かったのですが、今でもそのことに気が付かないまま生きようとしているクリスチャンも多くいます。真理の道を歩む人は必ず真実を伏せようとする権力者に苦しめられる道を歩みます。平和の道を歩む人は戦争によって権力や利益を得る者にとって都合が悪い人になります。正義と愛の道を歩む人は悪を行うすべての人(詐欺師、姦淫をする人、盗みを働く人、自分の利益だけを考える人など)と対立をする道を歩むことになります。自分の命を救いたいと思う人は多くいることでしょう。だからこそ、イエスは私たちに呼び掛けているのです。「わたしのために命を失う者は、それを救うのである。」


2022年6月20日

お使いのブラウザ「Internet Explorer」は閲覧推奨環境ではありません。


ウェブサイトが正しく表示されない、動作しない等の現象が起こる場合がありますのであらかじめご了承ください。
ChromeまたはEdgeブラウザのご利用をおすすめいたします。