2022/12/12 (MON)

チャプレンより聖書のことば

イエスは、ヘロデ王の時代にユダヤのベツレヘムでお生まれになった。そのとき、占星術の学者たちが東の方からエルサレムに来て、言った。「ユダヤ人の王としてお生まれになった方は、どこにおられますか。わたしたちは東方でその方の星を見たので、拝みに来たのです。」これを聞いて、ヘロデ王は不安を抱いた。エルサレムの人々も皆、同様であった。王は民の祭司長たちや律法学者たちを皆集めて、メシアはどこに生まれることになっているのかと問いただした。彼らは言った。「ユダヤのベツレヘムです。預言者がこう書いています。『ユダの地、ベツレヘムよ、お前はユダの指導者たちの中で決していちばん小さいものではない。お前から指導者が現れ、わたしの民イスラエルの牧者となるからである。』」

そこで、ヘロデは占星術の学者たちをひそかに呼び寄せ、星の現れた時期を確かめた。そして、「行って、その子のことを詳しく調べ、見つかったら知らせてくれ。わたしも行って拝もう」と言ってベツレヘムへ送り出した。彼らが王の言葉を聞いて出かけると、東方で見た星が先立って進み、ついに幼子のいる場所の上に止まった。学者たちはその星を見て喜びにあふれた。家に入ってみると、幼子は母マリアと共におられた。彼らはひれ伏して幼子を拝み、宝の箱を開けて、黄金、乳香、没薬を贈り物として献げた。
(マタイによる福音書第2章1~11節)

立教新座中学校・高等学校チャプレン 倉澤一太郎
降誕劇の重要な登場人物である東の占星術師は、現代では繫栄した古代文明圏や民族を代表する者とされることが多いようですが、歴史地理的に考えればヨルダン川東岸に居住していたアラブ系の人たちでしょう。ユダヤ人とは先祖代々対立し争いを繰り返してきた関係を考えますと、アラブ人占星術師がベツレヘム=ユダヤ人の集落を訪ねること自体が異常です。彼らの訪問をベツレヘムの住民が暴力的に拒絶したとしても不思議ではないのに迎え入れ、生まれたばかりの赤子に会わせたことは奇跡としか言いようがありません。神がお遣わしになった世の救い主とは、敵対する者たちを隔ての壁を越えて引き合わせ、関係を拒絶しあう者たちに平和の交わりを与えてくださる方であることが示されています。

この時期によく目にするクリスマス・リースですが、その起源は「拒絶の環」でした。古代欧州のケルト人やゲルマン人は冬至の祭「ユール」において神々や先祖の霊に豊穣を祈念する猪や豚を捧げ、料理を分かち合う習慣を守りましたが、同時に冬至の夜は神々の力が最も弱まり、悪霊や死者の霊が活動を強めると信じたので、切れ目の無い形が聖なる力を宿す魔除けの「環」を常緑樹の枝葉で作って戸口に掛け悪霊が家の内に入るのを拒絶したのです。ユール祭は後にキリスト降誕祭に置き換えられ、「拒絶の環」も「キリストの茨冠(王冠)」を表すものとなって現在に至りますが、拒絶し合う者を結びつけられる神は「拒絶の環」を神と人、人と人との「切れ目無き和」を表すものに変えてくださいました。

2022年12月12日

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