2024/07/01 (MON)

チャプレンより聖書のことば

イエスは、御自分を信じたユダヤ人たちに言われた。「わたしの言葉にとどまるならば、あなたたちは本当にわたしの弟子である。あなたたちは真理を知り、真理はあなたたちを自由にする。」
(ヨハネによる福音書第8章31~32節)

立教新座中学校・高等学校チャプレン ベレク・スミス
ヨハネの福音書には大きなテーマが幾つかあり、その一つが「真理」というテーマです。冒頭の言葉はヨハネの福音書の中でも一番有名な箇所の一つです。

アメリカ合衆国の中央情報局(CIA)の本部入口に皮肉なことに、「真理はあなたたちを自由にする」の部分だけが英語で書かれています。CIAの本部にあるように、イエスの言葉の前後関係を無視して漠然とした「真理」というものに置き換えてこの箇所を理解する方が多くいると思います。ヨハネによる福音書では、真理と光のテーマが重なっています。第3章19節以下には次のように書いてあります。「光が世に来たのに、人々はその行いが悪いので、光よりも闇の方を好んだ。それが、もう裁きになっている。悪を行う者は皆、光を憎み、その行いが明るみに出されるのを恐れて、光の方に来ないからである。しかし、真理を行う者は光の方に来る。その行いが神に導かれてなされたということが、明らかになるために。」闇を好む者は嘘をついたり、物事を隠蔽したり、隠し事をしたりしますが、光の中を歩む人は真理と真実を愛するのです。ヨハネの福音書でいう「光」も「真理」も漠然としたものではなく、イエス・キリスト自身のことを指しています。光の中を歩むことはイエスの跡を歩むことであり、真理を行うことはイエスの言葉によって生きることです。だからこそ、イエスは自分の弟子たちに「あなたたちは真理を知り」と言いますが、すべての人が真理を知っているとは言いません。

学校という場では「普遍的真理」を探究すると言うことばを聞くこともありますが、キリスト教の学校においてこれはイエスご自身をまず知るところから始まる、という理解でいなければなりません。イエスの真理を知ることは、イエスの教えに沿った価値観を持ち、イエスの教えに沿った生き方をすることです。

つくづく思うことですが、少しでも悪いことをしている人はすぐに真実を隠そうとします。わざと事実を隠蔽することもあれば、大事な部分を省いて物事を伝えることもあります。陰口を言う人も同じです。我々が生きている世の中では人間の言うことをすべて信じることができるわけではありません。真理を曲げる者には悪が伴うことも覚えなくてはなりません。真理を愛する者になるためには、すべてを明らかにする世の光であるイエスを愛する必要があります。学校という教育の現場では常に生徒には真理を教えようとしていますが、その第一歩として偽りのないイエス・キリストの教えを学ぶ必要があります。

2024年7月1日

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