皆さん、おはようございます。そして、初めまして。
4月1日に就任式を終え、立教新座中学校・高等学校の校長に就任した塩見牧雄です。
私は、3月の末、つい10日ほど前までは東京の千代田区九段というところにある中高完全一貫の女子校に26年間勤務していました。中学では主に公民を、高校では主に政治経済を担当しました。本来はずっと教員として、担任に入り、授業を持っていたかったのですが、教頭、校長、それから、校長と兼務する形で理事長という学校を経営する立場も経験しました。
男子校での経験は、前の前の学校ですので、もう四半世紀以上も前のことになりますが数年間教えた経験があります。男子校は全国の高校約4700校中92校、率にしてもう2%もありません。天然記念物的存在ともいえる男子校ではありますが、私の息子もこの3月まで中高を男子校で過ごしましたので、まったく様子が分からないということはないと思います。
朝のチャペルアワーとか、その前後に校舎前で皆さんを迎えたいと思います。できるだけ皆さんと触れ合える機会を設けたいと思います。
どうぞよろしくお願いします。
本日の始業式では、立教学院の教育目標でもある、「共に生きる力」に関連して、皆さんにノブレス・オブリージュという言葉を贈ります。「学校だより」の後半にも書きました。
ノブレス・オブリージュ。この言葉はフランス語で高貴な者が果たすべき義務、もともとは財産や権力、社会的地位を有する者は、それに応じた社会的責任と義務がある、そういう意味の言葉です。
今日は、中学生/高校生のあなたにとってのノブレス・オブリージュとは何を指すのかを考えたいと思います。
ある国際ボランティア団体で長年働いた経験のある私の友人から聞いたことがあります。彼はパレスチナやアフガニスタンといった紛争を抱える地域で活動した経験があるのですが、彼曰く、将来○○になりたいといった夢や希望を持つこと、明日はどこどこに行こう、なになにを食べよう、そういった予定や計画を立てることが出来るのは平和だからできることだといいます。彼が活動をした紛争地などで暮らす子どもたちは、明日の命の保証もない中で暮らしています。夢を持つとか、その実現に向けて努力することは難しい、できないと言うのです。頑張ろうにも頑張れない人がいるということを話してくれました。
私は立教新座で学ぶ皆さんに言います。あなたに与えられた環境を精一杯いかしてほしいと思います。中学生/高校生という時代を謳歌してほしいと思います。ここで、勉強に、クラブ活動に、学校行事に、好きなことに一生懸命に励んでほしいと思います。まだ好きなことがないという人はそれを探してほしいと思います。
あなたにはそれができるのです。そうすることで、あなた自身の人生を自分自身で切り拓いてください。そうして、あなたのウェルビーイングを手にしてください。あなたにはそれができます。そして、あなたにはそれが許されています。ただ、頑張ることのできるあなたは、頑張ることが許されているあなたは、それによって手にした幸せ、頑張った成果を自分のためだけに還元するのではなく、他者の道を切り拓くというかたちで還元する人になってほしい、そのように思います。
それは、成果は必ずしもあなただけの努力によって手に入れられたわけではないからです。あなたの能力を開花させる様ざまな環境や制度、あなたに有利に働いた条件といったものが整っていたから手に入れられた、そう認識する必要があるからです。環境を整えてくれた方、あるいは社会に感謝するとともに、他者に、社会にお返しをする人になってほしいと思います。
この後、優秀者、奨励賞受賞者を紹介し表彰します。よく頑張りました。素晴らしいです。そしてその成果を讃えます。この表彰を機に、さらなる高みを目指してください。優秀者、奨励者には選出されなかった多くの皆さんも一年間、様々な取り組みに頑張ったことと思います。これまでの自己を更新したのではないでしょうか。そうすることができたあなたは、そうすることができたあなただからこそ、他者に、社会に対して自分には何ができるのかを考え、行動してほしいと思います。
新約聖書マタイによる福音書第25章40節に次のことばがあります。「この最も小さい者(=弱き者と理解したらいいと思います)の一人にしたのは、わたし(=つまりイエス・キリスト)にしてくれたことなのである。」つまり、他者や社会に対してあなたがしたことは神様への応答としての行為であり、それはあなたのノブレス・オブリージュということになるのだと思います。
私からのお話は以上となります。
(2025年4月9日)
4月1日に就任式を終え、立教新座中学校・高等学校の校長に就任した塩見牧雄です。
私は、3月の末、つい10日ほど前までは東京の千代田区九段というところにある中高完全一貫の女子校に26年間勤務していました。中学では主に公民を、高校では主に政治経済を担当しました。本来はずっと教員として、担任に入り、授業を持っていたかったのですが、教頭、校長、それから、校長と兼務する形で理事長という学校を経営する立場も経験しました。
男子校での経験は、前の前の学校ですので、もう四半世紀以上も前のことになりますが数年間教えた経験があります。男子校は全国の高校約4700校中92校、率にしてもう2%もありません。天然記念物的存在ともいえる男子校ではありますが、私の息子もこの3月まで中高を男子校で過ごしましたので、まったく様子が分からないということはないと思います。
朝のチャペルアワーとか、その前後に校舎前で皆さんを迎えたいと思います。できるだけ皆さんと触れ合える機会を設けたいと思います。
どうぞよろしくお願いします。
本日の始業式では、立教学院の教育目標でもある、「共に生きる力」に関連して、皆さんにノブレス・オブリージュという言葉を贈ります。「学校だより」の後半にも書きました。
ノブレス・オブリージュ。この言葉はフランス語で高貴な者が果たすべき義務、もともとは財産や権力、社会的地位を有する者は、それに応じた社会的責任と義務がある、そういう意味の言葉です。
今日は、中学生/高校生のあなたにとってのノブレス・オブリージュとは何を指すのかを考えたいと思います。
ある国際ボランティア団体で長年働いた経験のある私の友人から聞いたことがあります。彼はパレスチナやアフガニスタンといった紛争を抱える地域で活動した経験があるのですが、彼曰く、将来○○になりたいといった夢や希望を持つこと、明日はどこどこに行こう、なになにを食べよう、そういった予定や計画を立てることが出来るのは平和だからできることだといいます。彼が活動をした紛争地などで暮らす子どもたちは、明日の命の保証もない中で暮らしています。夢を持つとか、その実現に向けて努力することは難しい、できないと言うのです。頑張ろうにも頑張れない人がいるということを話してくれました。
私は立教新座で学ぶ皆さんに言います。あなたに与えられた環境を精一杯いかしてほしいと思います。中学生/高校生という時代を謳歌してほしいと思います。ここで、勉強に、クラブ活動に、学校行事に、好きなことに一生懸命に励んでほしいと思います。まだ好きなことがないという人はそれを探してほしいと思います。
あなたにはそれができるのです。そうすることで、あなた自身の人生を自分自身で切り拓いてください。そうして、あなたのウェルビーイングを手にしてください。あなたにはそれができます。そして、あなたにはそれが許されています。ただ、頑張ることのできるあなたは、頑張ることが許されているあなたは、それによって手にした幸せ、頑張った成果を自分のためだけに還元するのではなく、他者の道を切り拓くというかたちで還元する人になってほしい、そのように思います。
それは、成果は必ずしもあなただけの努力によって手に入れられたわけではないからです。あなたの能力を開花させる様ざまな環境や制度、あなたに有利に働いた条件といったものが整っていたから手に入れられた、そう認識する必要があるからです。環境を整えてくれた方、あるいは社会に感謝するとともに、他者に、社会にお返しをする人になってほしいと思います。
この後、優秀者、奨励賞受賞者を紹介し表彰します。よく頑張りました。素晴らしいです。そしてその成果を讃えます。この表彰を機に、さらなる高みを目指してください。優秀者、奨励者には選出されなかった多くの皆さんも一年間、様々な取り組みに頑張ったことと思います。これまでの自己を更新したのではないでしょうか。そうすることができたあなたは、そうすることができたあなただからこそ、他者に、社会に対して自分には何ができるのかを考え、行動してほしいと思います。
新約聖書マタイによる福音書第25章40節に次のことばがあります。「この最も小さい者(=弱き者と理解したらいいと思います)の一人にしたのは、わたし(=つまりイエス・キリスト)にしてくれたことなのである。」つまり、他者や社会に対してあなたがしたことは神様への応答としての行為であり、それはあなたのノブレス・オブリージュということになるのだと思います。
私からのお話は以上となります。
(2025年4月9日)
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