OBインタビュー~立教新座での挑戦が今の私の基盤に~

2021/07/15 (THU)

卒業生インタビュー

立教新座での挑戦が今の私の基盤に

5月に行われたOB講話会。高校1年生に向けてキャリアについて講演をしていただいた
テルモ株式会社 町田 智大さん(2000年度卒業生)
私が立教高校を選んだ理由は2つあります。1つは、立教大学大学院(理学研究科)と理化学研究所が連携しており、学部生でも先進的な研究に触れられると思ったからです。もともと数学が好きで理系の大学に進学しようと考えていたこともあり、立教高校に入れば理系に強い選択肢を得られると思いました。入学当初は数学の道に進むつもりでしたが、高校で物理の実験のおもしろさに取りつかれてしまいました。もう1つは、広いグラウンドを見て、こういうところでスポーツができたらいいなと思ったこと。受験勉強の必要がない分、部活に力を注ぎたいと思っていたので決め手の1つになりました。

「もとから物理が得意だったんでしょ?」とよく聞かれますが、「いいえ」です (笑)。当時も物理の先生に理学部に進学することを報告したら「今すぐやめてこい」と(笑)。それが最終的には大学院にまでいったのは、仮説を立てて実験して、なぜ予想と違うのかを考えることへの好奇心が沸き起こり続けたからです。大学4年次は、希望通り理化学研究所に出入りすることができ、もっと実験したいという欲求にかられました。修士論文は、放射性同位体の性質を利用して放射線を検出する装置の回路を製作。大学、大学院と、興味を探究し続けることができ、さまざまな実験に明け暮れた6年間でした。
高校では、それまで運動が苦手だったので、経験がなくても始められるアメリカンフットボール部を選びました。人とぶつかり合う怖さは半年くらいで、あとはとにかく楽しかったです。1年生の終わりくらいに社会人チームでの選手経験がある方がコーチとして教えてくださるようになって、そこからぐんぐん強くなりました。最終的には関東大会や全国大会ベスト16くらいまでいったんですよ。スポーツ推薦でもない、体格も比較的普通という私たちのチームがここまで強くなったのはコーチのおかげ。卒業後20年近くたった今も数年に1回集まるほど仲間とのつながりは強いです。

優しい先輩、厳しい先輩、個性豊かな人たちがたくさんいましたが、試合の時はため口でOK、先輩後輩関係なく本音を言い合えるのもよかったですね。チームのため、強くなるためのことであれば何を言っても認めてもらえたので、コミュニケーションをとるのが得意ではなかった私も、いつの間にか人と話すのって楽しいと心から思うようになりました。アメフト部での経験が私の人間性に与えた影響は相当なものです。

現在は、医療機器を扱う会社で海外のマーケティングを担当し、海外企業を相手に医療機器のDX(Digital Transformation)を提案しています。月の3分の1以上は海外出張の日々。国も人種も異なる人たちと仕事をする上で大切なことは、違うことが当たり前ということを前提に、フィルターを通さず、構えずに相対し、信頼関係を築くことです。高校時代に鍛えられたコミュニケーション力が生かされていると思います。新型コロナウイルスの影響で、昨年は医療機器の必要性が特に高まりました。国内の医療従事者のみなさんに貢献しながら、状況が落ち着いたら途上国など海外にも支援の場を広げていきたいと思います。

立教高校でさまざまなことに挑戦したことは、今の私をつくる基盤となりました。みなさんも、何か頑張れることをみつけて、思い切りやり切ってほしいと思います。

(取材:2021年5月)

町田  智大 さんTomohiro Machida

テルモ株式会社 勤務

2001年 立教新座高等学校卒業
2005年 立教大学理学部物理学科卒業
2007年 立教大学大学院理学研究科物理学専攻修了
現在 テルモ株式会社 勤務

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