「情報処理安全確保支援士」最年少合格
サイバーセキュリティで社会貢献したい

—生徒インタビュー—

2023/11/15 (WED)

BE A GLOBAL LEADER

OVERVIEW

「情報処理安全確保支援士(略称:登録セキスペ)」はサイバーセキュリティ対策を推進する人材のための国家資格で、試験の合格率は約20%。情報処理の分野で唯一の士業であり、最難関と言われています。令和5年度春期試験において、最年少の14歳※で合格。10月には情報処理安全確保支援士として登録を完了した中学3年生の西坂龍太郎さんにお話をうかがいました。

中学3年生 西坂龍太郎さん
情報処理安全確保支援士試験の合格証と登録証を手にする西坂さん

自分の能力を発揮して社会貢献できるサイバーセキュリティ分野に挑戦

小学生のころから漠然と、国や社会に貢献できる人になりたいと考えていました。コロナ禍で将来について今一度考えてみたとき、小学生の頃に体験したプログラミングが楽しかったこと、また論理的思考が得意と言われていることを思い出しました。そこで、サイバーセキュリティの分野ならば自分の能力を発揮できると感じました。

競技プログラミングという、与えられた問題を効率的に解けるアルゴリズムを実装する大会に出場してプログラミングの技術を磨きながら、中学2年の秋には「応用情報技術者試験」(以下、AP)という国家試験に合格しました。そこでより高度な「情報処理安全確保支援士」(以下、SC)試験にチャレンジしようと勉強を始めました。

資格対策の書籍を読み込むことから始めましたが、APと比べてもより専門的な知識が広く要求されるので、決して簡単ではありませんでした。さらに、午後には記述式の試験があるので、その対策のために多くの過去問題を解くなど、約2カ月間勉強に打ち込みました。定期試験と両立しながらのスケジュールで楽ではなかったものの、自分が興味を持っている分野のことなので、まったく苦になりませんでした。

試験会場には緊張感が張り詰めていましたが、私自身は落ち着いて大半の問題に自信を持って答えられました。午後試験に得意分野が出題されたこともあり、解いていて楽しかったです。午前試験の目標の点数にはあと一歩届かなかったことが心残りですが、午後試験では目標を達成した上で合格できました。
試験合格証と情報処理安全確保支援士、セキュリティ・キャンプ修了証書

あっという間の4泊5日。他者から多く刺激を受けた「セキュリティ・キャンプ全国大会」

夏休み期間中には、全国の13歳以上22歳以下の学生を対象とした高度な情報セキュリティ技術を学べる「セキュリティ・キャンプ全国大会2023」(主催:独立行政法人情報処理推進機構〔IPA〕)の「脅威解析クラス」に参加しました。

「脅威解析クラス」は、攻撃者によってもたらされる脅威を分析し、得られた知見から新たな対策を生み出すことを目的としたもので、対策を考えるため、攻撃者と防御者両方の手法を学びます。なかでも「手を動かして理解する Linux Kernel Exploit」という講義が印象に残りました。この講義では、OSの一つであるLinuxのKernel(カーネル)に攻撃を行うことで、管理者権限を取得する方法と、それらの攻撃を防ぐための技術を学びます。これは特出して難易度が高く、事前学習も非常に大変で、始まるまでは講義が理解できるか不安もありました。しかし、他の受講者の方と協力しながら課題を達成することができました。

セキュリティ分野に興味を持ってから、誰かと一緒に手を動かして実践的に学ぶのは初めての経験でした。キャンプに参加している大半が大学生で、皆さん非常に高い技術力を持っていました。また、中には高校生ながら自身の知識を広めるべく活動している方もいらして、尊敬するとともに、向上心を掻き立てられました。また、皆さんが技術を手に入れるために果敢にチャレンジされているのを見て、私も躊躇せず新しいことに挑戦しようと思いました。キャンプでは毎日新しい発見があり、周りの人達から刺激を受けてとても楽しく、叶うならば夏休み中ずっと合宿していたいと思うほどの5日間でした。
S.P.F.(文化祭)での発表の様子

目標は研究者として国や社会に貢献すること

セキュリティ・キャンプではスポンサー企業の方や参加者などたくさんの方と知り合うことができ、そこで出会った方たちと何度かセキュリティの大会に出場しました。夏季休暇期間には、社会科の課題で「なぜCoinhive事件は起きたのか—不正指令電磁記録に関する罪を諸外国と比較して—」という内容の自由研究を行いました。その成果をS.P.F.(文化祭)で発表したところ、来場していたIT関連のお仕事に就く方から声をかけられ、有意義な話をすることができました。セキュリティ分野に興味を持って足を踏み入れ、人との縁がつながることで、自分一人では得られない知識や技術が身についていることを実感しています。

学校の友人や先生たちは、私が休み時間に資格試験の勉強をしているのを見守ってくれ、合格を知らせるととても喜んでくれました。立教新座の自由な校風は、自分の好きなことに時間を費やすことができ、のびのびとさまざまなことにチャレンジできる、私にとってとても良い環境です。
現在の目標は、サイバーセキュリティ分野から国や社会のために貢献できる研究者になることです。今回SC試験に挑戦したことである程度の知識は得られましたが、日々変化していく世界なので、勉強を加速させるとともに、まだまだ未熟な実践的な技術を得られるよう積極的なチャレンジを続けていこうと思います。

※「最年少の14歳」とは、令和5年度春期試験試験日現在の年齢です。

(2023年11月取材)

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