卒業研究論文に取り組む中で
根気強さや論理的思考力が身に付いた

高校3年生「卒業研究論文」~生徒インタビュー~

2025/05/21 (WED)

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OVERVIEW

立教新座高等学校では、総合的な学習の一環として、高校2年の3学期から約1年間かけて卒業研究論文の執筆に取り組みます。生徒たちは、テーマの設定から執筆を通して、自ら問題を発見し、解決策を模索し発信していく、これからの人生に必要な力を培います。今回は、リーダーシップについての論文を書き上げた、2024年度卒業生の大谷未來さんにお話をうかがいました。

大谷 未來さん(2024年度卒業)/立教大学異文化コミュニケーション学部1年次
(2025年1月取材。所属学年は2025年度のものです。)

立教新座のリーダーシップ教育に新たな要素を提言

以前より関心があったリーダーシップについて卒業研究論文を書きたいと思い、身近な「立教新座のリーダーシップ教育」をテーマとして設定。まずは関連する国内外の論文・文献を読み込むことから始めました。

リーダーシップおよびリーダーシップ教育に関する知識を深めた後は、立教大学や他大学・学校の事例調査を実施しました。さまざまなケースを比較・分析する中でリーダーシップ教育を構成する要素を見出し、すべてを満たしていれば機能する教育プログラムであると定義づけたところ、立教新座のリーダーシップ教育における課題点も見えてきました。

企業の協力も後押しし、立教新座ではリーダーシップに関する知識・スキルを伸ばす土壌がしっかりと整えられていますが、他の事例と比較した際、不足している部分もあると感じました。そこで、高校生でも実践できる形を考案し、教育プログラムの新たな要素として提言しました。
最も優秀な論文の一編として全文が掲載された卒業研究論文集。論文要旨は英語で執筆した

自身で答えを出せるように導いてくれた主査の先生

無事に完成した卒論ですが、実はテーマ設定の段階でとても苦労しました。最初は「経営者が選ぶマンガ」と言われる有名なマンガ作品と絡めて「リーダーシップとは何か」を深掘りする内容を思索していました。しかし主査の先生に相談したところ、「作中における“リーダーシップとは”の答えは作者の中にしかないため、作者本人に聞く以外に方法がない。結論が出せないのではないか」と指摘され、断念しました。

別のアプローチとして小学校から大学までのリーダーシップ教育について考察しようと考えたものの、小学校まで遡っていくと範囲が広すぎて現実的ではないと感じました。どうしようかと悩んでいた時に思い出したのが、中学受験の際に見た立教新座公式サイトの「グローバル・リーダーシップ」という言葉。ふと「高校の3年間、どれだけリーダーシップ教育が行われてきたのだろう?」という疑問が浮かび、ようやく自分が進むべき道が拓かれたのです。

執筆中、少しでも疑問に思ったときはすぐに先生に聞きに行っていたので、誰よりも多く面談をしていただいたと自負しています(笑)。ただし、先生は「こうすれば?」などと、答えを提示してくださるわけではありません。自分で考えるための材料として、解決の糸口となる小さなヒントや調べるきっかけを与えてくれました。そのおかげで自分の関心事に自分で気づき、自分でテーマを決定するというステップを踏むことができました。だからこそ、最後まで主体的に自分事として書き上げることができたのだと思います。

卒論のおかげで根気強い自分になれた

卒論に取り組む中で、高校生対象のリーダーシップ講演会にも参加。登壇するのが立教大学経営学部のリーダーシップ・プログラムでも教えていらっしゃる講師の方ということで、ぜひ講演会後に直接お話をうかがいたいと考えました。すると、快く受け入れていただき、リーダーシップについて何と2時間もお話をさせていただきました。

ほかにも、リーダーシップ教育に関するアンケート調査を立教新座の生徒に対して実施したことも印象に残っています。SNSを通じて50名ほどから回答を集めるなど、地道な作業でも粘り強く行っていきました。

もともと読書感想文など作文は得意としていたので、秋の仮提出の際は出来栄えに自信があったのですが、先生からは「くどい」と(笑)。指摘をたくさんいただきました。以前の私ならここでくじけていたと思います。しかし、この卒論執筆を高校生活3年間の集大成として取り組もうと決めていたので諦めませんでした。

何度も構成を見直したり、文献を読み込んだり、小さなチャレンジを繰り返したりする中で、根気強さや主体性、さらには自身が抱える問題意識を他者に伝わるように書くという論理的思考力を鍛えられ、高校生から大学生へと成長できたと感じています。主査の先生がすべてを受け止めてくれたからこそだと感謝しています。卒論執筆で身に付いたことや経験したことを、今後の大学生活でも存分に生かしていきたいです。

大谷 未來 さんMirai Otani

立教大学異文化コミュニケーション学部1年次

2025年3月 立教新座高等学校卒業

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