魅力ある地域づくりを題材とした研究で
積極性や論文執筆能力が磨かれた

高校3年生「卒業研究論文」~生徒インタビュー~

2024/05/13 (MON)

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OVERVIEW

立教新座高等学校では、総合的な学習の一環として、高校2年の3学期から約1年間かけて卒業研究論文の執筆に取り組みます。生徒たちは、テーマの設定から執筆を通して、自ら問題を発見し、解決策を模索し発信していく、これからの人生に必要な力を培います。今回は、地域振興についての論文を書き上げた、2023年度卒業生の白山航さんにお話をうかがいました。

白山 航さん(2023年度卒業) 立教大学異文化コミュニケーション学部1年次

自ら問題提起し、足を運ぶ。地域の実情を探る貴重な経験

卒業研究論文は、私が住む荒川区西日暮里の地域振興をテーマにしました。高い利便性を持ち、昔ながらの街並みが残るこの地域を、もっと多くの方に注目していただきたいと思ったのです。また、 2029年に完了予定の「西日暮里駅前地区市街地再開発事業」と関連付け、「今ある地域文化とうまく融合できるようなまちづくりの提案ができないだろうか」と考えたことも、テーマ設定のきっかけの一つでした。
執筆に際しては、日暮里の地勢、地名の由来、歴史、交通を調べ、自分自身でも日暮里エリアの理解を深めながら、人口の推移・衰退した文化からエリアの問題点・課題を洗い出し、日暮里エリアが発展存続していくための地域活性化策を提示しました。自分の考えた地域活性化策が実現可能か否かを検証するために、昔から西日暮里で店舗経営されている方や行政面から支えてくださっている荒川区役所の方への取材にもチャレンジしました。自分でアポイントを取ってインタビューするという初めての試みに、正直なところ大きな不安を感じていました。しかし、実際に取材をしてみると地域の方々は温かく迎えてくださって、「西日暮里の発展について、こんなにも考えてくれている若者がいてよかった」という言葉までいただけたことがうれしかったです。

地道な調査で明らかになる地域の実情と課題

こうした調査で地域の実情を知るとともに、いくつかの課題も見えてきました。観光名所にはランドマークと呼ぶべきもの、あるいは魅力的な特産品などの観光資源があると効果的です。西日暮里でいえば「もんじゃ焼き」がそれにあたるかもしれませんが、月島より歴史が古いにもかかわらず、実際にはあまり知られていません。次第に店舗数も減ってきており、商店街や区全体のプロモーションが必要だと感じました。

他に特産品になり得るものは何かと考え、着目したものの一つ が「三河島菜」という、昔、荒川区周辺で栽培されていた野菜です。白菜の普及により衰退してしまったのですが、これを西日暮里付近で再び栽培し、特産品にできればよいのではと思い、論文の中に提案として盛り込みました。

また、子供の頃から遊びまわっていた地域だからこそ提案できたこともあります。「ここの動線がこうだったらもっといいのに」とずっと考えていた素朴な思いが、「日暮里駅・西日暮里駅を乗換駅ではなく『降り立つ駅』にし、日暮里エリアに人を呼び込む」という大きな提案に繋がったと思います。住んでいるからこそわかる地域活性化策を提示できたことは論文に説得力をもたらしたのかもしれません。
最も優秀な論文の一編として全文が掲載された卒業研究論文集

主体性やコミュニケーション能力、論文執筆の力など多くの素養が磨かれた

論文執筆では、主査と副査、2名の先生方のきめ細かい指導が力になりました。先生方は非常に博識で、斬新な切り口のアドバイスをくださることも度々でした。多角的な視点やアイデアを得られたことで、論文に深みが出たという実感があります。また、指導を通じてたくさんお話しさせていただく中で先生との距離が縮まり、先生のパーソナリティに触れられたこともとても有意義な時間をいただけたと思っています。

指導をしていただきながら作成した論文は、4万字を超える大ボリュームに。骨子を考え、必要な情報を取捨選択し、筋道立てて執筆するのは決して簡単なことではありません。しかし、だからこそ論文執筆を通じて多くの知見を得られたとも感じています。もし機会があれば、この経験を実際の西日暮里の地域振興に役立てたいです。

「卒業研究論文」を通して身に付いたのは、積極性やコミュニケーション能力、論文を構成・執筆する力、そしてやり遂げる力かもしれません。自らテーマを設定し、論文完成に向けて主体的に行動、試行錯誤した経験を、大学生活の糧としていきたいと思います。

(2024年3月取材)

白山 航さんKou Shirayama

立教大学異文化コミュニケーション学部1年次

2023年度卒業生

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